朝、目を覚ますと頭が枕から半分ずり落ちている。そんな朝が続いていませんか。
枕選びでは高さの話ばかりが出てきます。ところが、寝ているあいだに枕から外れてしまう人の多くは、高さではなくサイズが足りていません。
枕のサイズは幅・奥行き・厚みの3つです。順に見ていきます。
枕の標準サイズは3つある
市販の枕は、おおよそ3つの寸法に分かれています。まず自分の枕がどれに当たるか確かめてください。
| 呼び方 | 寸法の目安 | 向く人 |
|---|---|---|
| 標準(Mサイズ) | 43×63cm | 大人ひとり。いちばん流通している |
| 大きめ(Lサイズ) | 50×70cm | 体格が大きい・寝返りが多い |
| 小さめ | 35×50cm前後 | 子ども・小柄な方・添い寝 |
いちばん多いのは43×63cmです。枕カバーもこの寸法が最も選びやすく、無地から柄まで数がそろっています。
50×70cmはホテルでよく使われる大きさです。ゆったりしますが、カバーの選択肢は減ります。
幅は「寝返り3回分」で考える

幅とは、頭が左右に動ける距離のことです。ここが足りないと、寝返りのたびに頭が端に近づきます。
人はひと晩に20回から30回ほど寝返りを打つといわれます。往復するとは限らず、同じ方向へ続くこともあります。
目安は、頭の幅の3倍です。頭の幅はだいたい15〜18cmなので、45〜54cmあれば左右に転がっても枕の上に残ります。
43×63cmの枕なら幅は63cmです。数字だけ見れば十分に思えます。ところが、中央がへこんで両端が高い形だと、実際に頭が乗れる範囲は中央の30cmほどしかありません。
表示のサイズではなく、平らに使える幅を見るのがこつです。
奥行きは首と肩の入り具合で決まる
奥行きとは、頭の上から肩に向かう方向の長さです。43×63cmなら43cmのほうを指します。
ここが短いと、後頭部は乗っているのに首の付け根が枕から外れます。首の下にすき間が残ると、朝まで支えられません。
確かめ方は簡単です。仰向けに寝て、首の後ろに指を差し込んでみてください。すっと入ってしまうなら、奥行きか高さが合っていません。
高さの測り方は枕の高さの測り方で手順を追って説明しています。
形によって「使える面積」が変わる
表示のサイズが同じでも、形が違えば頭を乗せられる範囲は変わります。ここを知らないと、大きい枕を買ったのに窮屈という結果になります。
| 形 | 実際に使える幅 | 特徴 |
|---|---|---|
| フラット(平ら) | ほぼ全面 | どこに転がっても同じ高さ |
| 中央くぼみ型 | 中央のみ | 仰向けは安定、寝返りで端に乗る |
| 波形(前後で高低差) | ほぼ全面 | 首側と頭側で高さを使い分けられる |
| 3段構造 | 中央中心 | 頭・首・肩を分けて受ける |
中央がくぼんだ形は、仰向けで寝るぶんには収まりがよくなります。ただし寝返りで端へ移ると、そこは高くなっています。
寝返りが多い方は、平らか、左右の高さが変わらない形を選ぶほうが向きます。
厚み(高さ)とサイズの関係
3つめの寸法が厚みです。高さとも呼ばれます。
ここで気をつけたいのは、袋に書かれた厚みは「潰れていない状態」の数字だという点です。頭を乗せれば沈みます。
沈む量は素材で変わります。低反発は大きく沈み、パイプやそば殻は沈みが小さくなります。表示が10cmでも、実際に支える高さは6cmということが起こります。
| 素材 | 沈み方 | 表示との差 |
|---|---|---|
| 低反発ウレタン | 大きく沈む | 差が出やすい |
| 高反発ウレタン | やや沈む | 中くらい |
| パイプ・そば殻 | あまり沈まない | 差が小さい |
| 羽根・羽毛 | 大きく沈む | 差が出やすい |
素材ごとの違いは枕の素材はどう選ぶ?で詳しく扱っています。
体格別のサイズ目安
| 体格・寝方 | 向くサイズ | 理由 |
|---|---|---|
| 小柄・寝相が静か | 43×63cm | 標準で足りる。カバーも選びやすい |
| 肩幅が広い | 50×70cm | 奥行きに余裕がいる |
| 寝返りが多い | 50×70cm | 左右に転がっても外れにくい |
| 横向きが多い | 43×63cm以上+高さ重視 | 幅より肩の厚み分の高さが要る |
横向きで寝ることが多い方は、サイズより高さの影響が大きくなります。肩の厚みぶんだけ頭が浮くためです。詳しくは横向きで寝る人の枕の選び方をご覧ください。
仰向けが中心の方は仰向けで寝る人の枕の選び方もあわせてどうぞ。
サイズで迷ったときの考え方

迷ったら大きめを選んでください。理由は3つあります。
- 寝返りの余白が残る。大きすぎて困る場面は、ベッド幅が足りないときくらいです。
- 寝方が変わっても対応できる。季節や体調で寝姿勢は変わります。
- 端で支える必要がなくなる。中央だけを使えるので、へたりも中央に集中しません。
ただし、シングルベッドで大きめの枕を使うと、左右の余白がほとんど残りません。ベッド幅と合わせて考えてください。
もうひとつの考え方もあります。サイズの大小ではなく、頭と首をどう支えるかを形で決めた枕を選ぶ方法です。整体師が設計したCure:Re THE MAKURAは、頭・首・肩をそれぞれ別の高さで受ける3段構造になっています。設計の考え方はTHE MAKURAの3段構造とは?で整理しました。
首・肩・腰の痛みを寝てるうちに治したい!ベッドの幅と合わせて考える
枕だけを見て決めると、届いてから置き場所に困ります。ベッドや敷布団の幅も一緒に見てください。
| 寝床の幅 | 置ける枕 | 備考 |
|---|---|---|
| シングル(約97cm) | 43×63cm | 50×70cmだと左右の余白がほぼ無い |
| セミダブル(約120cm) | どちらも可 | ひとりで使うなら50×70cmも快適 |
| ダブル(約140cm) | 43×63cm×2 | ふたりなら標準を2つ並べる |
| クイーン以上 | 50×70cm×2 | 余裕を持って並べられる |
ダブルベッドに50×70cmを2つ並べると、140cmの幅に対して枕だけで140cmになります。数字の上ではぴったりですが、実際には押し合って窮屈です。
ふたりで使う場合は、ひとまわり小さいほうが結果的に使いやすくなります。
枕カバーのサイズ選び
買ったあとに困りやすいのがカバーです。枕本体と同じ寸法を選ぶと、きつくて入らないことがあります。
目安は、枕の寸法より2〜3cm大きいものです。ぴったりすぎると中身が押されて、本来の形になりません。
逆に大きすぎると生地がたるみ、しわが顔に当たります。伸びる素材なら多少の差は吸収できます。
特殊な形の枕は、専用カバーが用意されているか買う前に確認してください。市販のカバーが合わない形もあります。
買う前に家でできる確かめ方

店頭で寝転んでも、数分では分かりません。今の枕を使って、家で確かめるほうが確実です。
- 朝、起きた瞬間に頭の位置を見る。中央にあれば幅は足りています。端に寄っていれば足りていません。
- 枕の左右にたたんだタオルを置いて1週間使う。外れなくなるなら、幅が原因です。
- 仰向けで首の後ろに指を入れる。すき間があれば、奥行きか高さが合っていません。
- 横向きになって鏡で見る。頭から背中までが一直線なら、高さは合っています。
1週間続けると、たまたまその日だけということが減ります。2〜3日では判断しないでください。
この確かめ方でサイズだけが原因だと分かれば、買い替えの範囲もはっきりします。高さも合っていないなら、両方を一度に見直すほうが早道です。
よくある質問
枕が大きすぎるとどうなりますか
寝心地の面で困ることはほとんどありません。ベッドの幅を圧迫することと、カバーの選択肢が減ることが主な難点です。
夫婦で同じサイズを使うべきですか
そろえる必要はありません。体格が違えば合う寸法も違います。見た目をそろえたい場合は、カバーの色や柄を合わせる方法があります。
今の枕が小さいと感じたら買い替えですか
まずタオルを枕の左右に置いて、幅を広げてみてください。それで朝の外れ方が変わるなら、サイズが原因です。買い替えの見極め方は枕の買い替えはいつ?にまとめています。
サイズを変えれば合わない感じは消えますか
サイズが原因なら変わります。高さや素材が原因のこともあるので、枕が合わないあなたへで順番に切り分けてみてください。
枕を2つ並べて使ってもいいですか
幅を広げる方法としては使えます。ただし境目で高さが変わるので、寝返りのたびに段差を越えることになります。1つで足りる大きさを選ぶほうが落ち着きます。
抱き枕を使う場合、サイズは変わりますか
頭の枕は変わりません。抱き枕を使うと横向きが増えるので、高さのほうを見直すと収まりがよくなります。
子どもにはどのサイズが向きますか
35×50cm前後が扱いやすい大きさです。成長にあわせて替えることになるので、はじめから大きいものを選ぶ必要はありません。
旅行用に小さい枕を買うべきですか
普段と高さが違うと、寝つきが変わります。持ち運べる薄手のものを1つ用意しておくと、宿の枕に重ねて高さを合わせられます。
枕の下に敷くパッドは必要ですか
必ずしも要りません。汗が気になる季節に、洗える一枚を挟むと手入れが楽になります。厚みのあるものを挟むと高さが変わるので、薄手を選んでください。
枕が大きいと収納に困りませんか
押し入れやクローゼットの棚に入るかを、買う前に測っておくと安心です。来客用に予備を持つ場合は、収納の場所も含めて考えてください。
寝具を替えたら枕も替えるべきですか
敷き寝具が変わると、体の沈み方が変わります。マットレスを買い替えたときは、枕の高さも一度確かめ直してください。
まとめ
枕のサイズは幅・奥行き・厚みの3つで見ます。標準は43×63cm、ゆったり使いたい方は50×70cmです。幅は頭の幅の3倍が目安になります。表示の数字ではなく、平らに使える範囲で測ってください。
奥行きは、首の付け根まで乗るかどうかです。仰向けで指がすっと入るなら足りていません。朝、頭が枕の真ん中にある。それだけのことですが、目覚めたときの感じ方は変わってきます。
選び方の全体像はもう枕で失敗しない選び方、素材から絞るなら枕の素材はどう選ぶ?をご覧ください。

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